一棟貸宿 白藤
長野県須坂市にある、同市が所有する国の登録有形文化財の改修計画。
新たな賑わいと交流を創出する施設への転換を図るため、2019年に須坂市が民間の活用事業者を公募しました。
市内の有志からなる任意団体と共にプロポーザルに応募し、受託。
建物内には「一棟貸宿白藤」と文具屋の「机上の時間」が新たに設置されました。
須坂藩の要職を務めた浦野家が明治初期に建てた武家屋敷の様子を伝える貴重な建物に加え、明治後期に診療所であった洋館が増築されています。
敷地内は6つの建物で構成され、建物間に庭が設えられており、様々な方向から入る光を繊細に捉え増幅するような建物を目指しました。
「百年後の須坂に伝え継ぐ」というクライアントのコンセプトを体現すべく、その場限りではない、歴史性を重んじた設計を行いました。
本建築物が百年後にも色あせないことを願い-。
用途:宿泊施設
概要:木造2階
場所:長野県須坂市
完成:2021年8月
設計:トベアーキテクト
施工:松本木材株式会社
写真:宮崎純一